農業と生産者のあるべき姿、豊かな農村を取り戻すために


昔ながらの伝統農法を受け継ぎ、豊かに暮らしてきた奥大和の生産者を取り巻く環境が激変したのは、1960〜70年代にかけてのこと。そこで失われた本来あるべき農業・生産者の姿と、真に豊かで明るい農村を取り戻すために、私たちの歩みと挑戦は続いていきます。

王隠堂の由来

後醍醐天皇から授かった姓「王隠堂」

社名にある「王隠堂」とは、南北朝時代前期に京から吉野へ逃れた後醍醐天皇を創業者・王隠堂誠海(おういんどう・まさみ)の祖先がかくまい、授かった姓と伝えられています。王隠堂家は、この由緒ある姓を授るよりも前から、奥大和の地で生きてきました。

私たちのなりたち

行き過ぎた近代農業からの脱却と有機農業のスタート

1950年代まで、日本の原風景ともいうべきのどかな農村の風景が広がっていた奥大和。豊かな“里山のめぐみ”を育むこの地には、チョウやトンボ、バッタなどの昆虫をはじめ、ドジョウやウナギ、タニシ、ホタルなどが生息し、“自然と人間の共生”が成立していました。

1960年代に入り、日本は経済大国への道をひた走ります。田畑を耕す牛馬は機械へと置き換えられ、農薬や化学肥料を使用する近代農業へと転換。好景気に湧き、消費が拡大した都市部からは、虫食い跡やキズのない農産物が求められるようになります。市場からの要求に応えようと、奥大和の集落でも強い農薬や化学肥料の使用がエスカレート。やがて、農家の健康被害や生態系の破壊などが社会問題化していきます。

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そこで、いち早く「農業の在り方」に警鐘を鳴らしていた紀伊半島の農家の皆さんらとともに、創業者・王隠堂誠海も立ち上がりました。そして、1970年代後半から有機農業を開始。「安全・安心な農産物づくり」宣言のもと、日本全国に「豊かで明るい農村」を取り戻すための一歩を踏み出します。

 

 

私たちのとりくみ

食の安全・安心と、農業の持続化・活性化への道をひらく

1980年代に入ると、食の安全・安心を高めると同時に、生産者の共同・自立を実現させる「産直事業」を開始します。生産者が共同で、取引先との間で農薬や肥料の使用量、出荷時期、品質などの基準を設定。生産者が農産物を消費者のもとへ直接届ける産直事業は、とくに若い生産者・消費者からの支持を獲得。店舗や消費者とのふれあいが生まれ、新たな生産者と産地の育成につながっていきます。

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柿・梅からスタートした産直事業は1990年代に入り、その他の野菜・くだもの、加工品へと着実に拡大します。ともに活動する生産者も増え、様々な作業を共同化する生産者グループへと成長。1996年、生産者の共同出資による地域共同センター「パンドラファーム」を設立し、選果・加工・物流の共同化を実現しました。

翌1997年には、三重県御浜町にグループ共同農場「御浜天地農場」を設立。JAS有機認証を取得した農地で梅をはじめ、レモンなどの柑橘類や野菜を栽培。近隣の牧場で作られる堆肥を肥料とするなどの工夫を重ね、農産物の安定生産に取り組んでいます。

生産量が安定・増加すると、「育てた農産物の全量消費」という新たな目標が生まれました。そこで2002年、サラダなどのカット野菜を製造する「株式会社オルト」を設立。さらに、2014年にはフリーズドライ技術で農産物の加工を行う「株式会社ポタジエ」を設立。生産者が手塩にかけて育てた農産物の、新たな価値と可能性を追求しています。

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五條市西吉野町湯塩という奥大和の小さな集落で始まった取り組みは現在、紀伊半島に3つの地域共同センターを設置し、複数の生産者団体と提携するまでに発展。同時に、全国の生産法人や企業、個人との共同事業の展開などを通じて、さらなる食の安全・安心の実現、農業の持続化・活性化に向けた取り組みを進めています。


 

私たちのビジョン

紀伊半島から日本の地域と農業のあり方を再構築したい

70年代後半の有機農業へのチャレンジ、産直事業のスタートから約半世紀が過ぎた現在、私たちは「これからの日本の地域と農業のあり方」を見据えた活動を展開しています。

その活動の柱となるのが「産地の維持発展」です。奥大和の市町村、農協をはじめ、地域とともに新たな産地を創出し、農業を地域コミュニティ事業へと発展させます。そして、奥大和・紀伊半島から西日本一帯へと連携組織を広げ、より安全・安心な農産物の安定供給を目指して、西日本の生産者仲間とともに「産地リレー栽培(※)」を行っています。

※産地リレー栽培…季節変動に合わせて適地で栽培を行うために、それぞれの地域の生産者が生産時期をずらしながら、リレーをするように出荷時期を調整すること。

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農産物の生産のほか、異業種と共同で商品開発を行い6次産業を強化。さらに、農業人口の減少を食い止めるべく、新規就農者を支援するとともに、地域高齢者に活躍の場を提供します。農業の維持・継続が難しい地域では人材育成と、雇用・就業形態を問わない多様な働き方を組み合わせ、生産者と消費者の双方が労働力を供給できる仕組みをつくります。


 

ご挨拶

奥大和発の産直事業をもとに、子どもたちに“ふるさと”を残したい

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代表取締役社長 王隠堂 正悟哉 Masaya Oindo

父・王隠堂誠海(おういんどう・まさみ)による産直事業の開始は1977年のことでした。父は大阪での農産物の引き売りで出会った生協様とともに、約50年をかけて生産者仲間を増やしつつ、奥大和発の産直事業を継続・発展させてきました。
今後の産直事業を担う私の使命は、私や生産者仲間の子どもたちに“ふるさと”を残すことです。産直事業をもとに、地域のすべての人たちが働き、喜びを感じられる環境をつくる。林業や観光業と一体化し、奥大和の価値と魅力を他地域の皆さんに最大限利用してもらう。そんな地域社会の創造を目指します。
 

食の安全・安心を守る活動から、地域を元気にする活動へ

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王隠堂 誠海 Masami Oindo

私が農悠舎王隠堂を興し、紀伊半島を中心とした中山間地域の仲間とともに産直事業を開始したのは、高度成長期の公害や食品汚染といった社会問題がきっかけでした。大量消費社会に合わせる農業に疑問を抱き、自然とともに農業を営む有機農法へと転換。それにともない、「仲間が作る農作物を一つも無駄にしたくない」という思いから、地域の皆さんとともに共同で加工・販売する事業も立ち上げました。

約半世紀にわたる取り組みを通じて、「畑から食卓へ、自分たちの力で安全・安心を届ける」という願いを形にできました。これからは、過疎に苦しむ産地を元気にし、日本の農業を発展させるという願いの実現に向け歩んでいきます。
 

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